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全国ノスタルジー探訪

現代に残る、身近な過去を探してあちこち歩いてます。

【喫茶】虎ノ門・般若(2010年8月末閉店)

港区

今回は特に思い入れの強い喫茶店をご紹介。

虎ノ門琴平タワーを通り過ぎてわき道を入ると、異様な物体が現れる。遠目で見ると、一体何なのかわからないその建物は、近づいて初めて蔦で覆われていることに気付く。オフィス街にポツンとジブリの世界があるようなその光景は、奇妙としか言いようがない。これが般若である。

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再開発地域であるこの場所は、道路が作られるとのことで般若も8月に閉店が決まっている。今では想像できないが、創業した42年前はこの辺りは住宅地だったらしい。般若だけが昔と変わらず、そこに佇んでいる。

休日が定休なので、今回は早起きをして出勤前に伺った。
「こういう喫茶店好きなの?」とマスターに声を掛けられた。私の雰囲気が伝わったのであろうか。店名も外観もとても気に入っていることを伝えると、とても嬉しそうに般若が紹介されている雑誌を見せてくれた。あまり長居もできないので「また来ます」と告げると「悩み事や恋愛相談でも何でも聞くよ」と言ってくれた。嬉しいなぁ。

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こうやって大好きは喫茶店がまた一つなくなってしまうのは本当に悲しい。おセンチな気分で会社に向かった。あと何回行けるかわからないけど、可能なら閉店する当日も足を運びたいと思う。
気になる方は是非行ってみてください。独り言が多いマスターが暖かく迎えてくれます。

【店舗データ】
住所:東京都港区虎ノ門 2-4-18
営業:7:00〜19:00(土・日・祝日定休)

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【補足】虎ノ門周辺の開発について

般若の跡地にできる道路は「幻のマッカーサー道路」と呼ばれいて、その計画が決定したのは戦後すぐの1946年と言われている。GHQ虎ノ門にある米国大使館から東京湾竹芝桟橋まで軍用道路を整備するよう要求したとのことから、このように呼ばれるようになった。つまり、幻の計画が今になって動き出した形だ。

しかも現在では、虎ノ門から新橋、さらに汐留、築地を経由して晴海に達する計画らしい。築地移転計画が持ち上がってる理由の一つがそれである。この道路が出来ることにより、渋滞の緩和など利便性の向上が期待されるが、その犠牲として古き東京が失われることになる。

古いものを壊して新しいものを作るのは簡単で、古いものを維持することは実はとても大変なことだ。最近になってその当たり前のことを理解するようになった。だから私は失われる前に目に焼き付けるために、昔の東京巡りをしている。しょうがないことだけど、私が好きな景色が消えることは本当に悲しいことだ。