北海道、JR石北本線にある秘境駅として有名な上白滝駅。ここは駅マニアとして訪れないわけにはいかない重要な駅のひとつです。
一度北海道を訪れたとき、通称白滝シリーズ(上白滝、白滝、旧白滝、下白滝)のなかでここだけはどうしても訪問することが叶わず、2年の後に、改めてやってきた次第です。
ぼくは鉄道趣味の中でも特に駅が好きで、基本的に秘境駅訪問を中心に旅程を組み立てます。
駅訪問マイルールとしては、日本の駅全駅下車をしたという横見浩彦氏のルール、「その駅に列車で到達する」か、「その駅から列車に乗る」かが条件というものに準じ、廃駅以外は必ず遵守しています(車で寄っただけなのは見学なのでノーカウントです)。
ところがこの上白滝駅は攻略が非常に困難です。理由はこの時刻表にあります。
おそらく今現役の鉄道駅の中では最も停車する駅が少ない(臨時・休止駅除く)駅なのではないでしょうか。
ちなみに、流石にこの駅で10時間待つわけにもいかないので、隣の白滝駅(こちらは結構な列車が停まります)で降り、白滝駅前のタクシーに乗って上白滝駅まで来ました。歩くとおよそ4kmなので歩けなくもないですが、自家用車以外では最も効率の良い訪問の方法だと思います。
※取材当時の情報ですが、白滝駅前のタクシーは日曜はお休みらしいのでご注意ください。
駅舎は、昭和6年の開業当時からほぼそのままで、北海道ではよく見るタイプの駅舎ですがとても味があります。
入り口や窓はさすがにアルミサッシに替えられています。
ちなみに駅前は実は秘境というほどではなく、店も1軒あります!これはちょっと拍子抜けしました。
さて駅舎の中は、新造されたイスがあります。寝袋で寝やすそうですね。
チッキの跡らしき台もあります。多分もともと窓口があったのでしょうが、ベニヤで埋められています。ここで本気で10時間列車待ちをする人のためか、漫画や本などが置いてあります。『ついでにとんちんかん』が15巻だけありました。
「かみかわ」のフォントが違うのは、この間の駅が廃止されたからです。元々は奥白滝駅があって、今は信号場になっています。現在でも、列車に乗っていると奥白滝駅を見ることはできますが、訪問は車がないとムリでしょう。
写真を撮ったり駅ノートを見ていたりしたら、あっという間に旭川方面への1日1本しか停まらない列車がやってきました。これを逃したらヒッチハイクか駅寝です。冬なら死の覚悟です。
ぼくが列車に乗るのと入れ替わりで、おじさんが降りていきました。あなたのおかげでこの駅が廃止にならなくて済んでいるのです!これからもお元気で!
【データ】
住所:北海道紋別郡遠軽町上白滝
JR北海道 石北本線
取材時期:2010年9月