Twitterを見ていたらこのような衝撃の情報が。
店に行ったことはあるのですがあれやこれやと書き渋っているうちに閉店!
今更書いても役に立たないのですが、追悼?の意味を込め当ブログでもご紹介したいと思います。
高円寺 団らんの場所は中央線の南側の道を阿佐ヶ谷方面に歩くと見つかります。
そしてこの看板だけは見たことがある、という人も多いでしょう。
「一歩先を行くあなたに、 一歩先を行くお食事を」
「女性の方 お気軽にどうぞ」
一歩先を行く前衛的、すなわちアバンギャルドなお食事ができそうという期待に膨らみます。
一方で、「女性の方お気軽にどうぞ」はまさに女性の方が一番怖くなるフレーズではないでしょうか。
……んー、アーバンギャルドな食事には見えませんね。
ただひとつだけ、「パプル定食」というのが気になります。
というわけで何度か満席で嫌われつつタイミングを伺って、ついに入店。
店内はカウンターのみでおよそ6席前後、いつも常連しか来ていないような感じです。
自分以外の全員が顔見知りのようです。
一応定食メニューが並びますが、皆飲んでるだけです。
常連の注目集まる中、意を決してコール。
「パプル定食お願いします」
マスターはこう返します。
「え〜 マズいけどいいの?」
まさか自分で作ってるものをマズいと公言する定食屋があろうとは。そんなの他に知ってるのは、八名信夫のCMでお馴染みだったキューサイの青汁か、彦竜ラーメンくらいです。
「ええと、どんな定食ですか」
と問うと、
「肉焼いて醤油付けるだけだよ。マズいってばよ」
と答えます。それでも
「ええ、結構です。お願いします」
と答えると、すぐに調理に入ってくれました。
常連も「マズいの?やめとけばいいじゃん」などとツッコんできます。
マスターは「最近はよぉ、勝手に店のことをネットに載せるバカがいるらしいな!!」
と言います。それを見て来たのですよ、と答えます。そして、更に自分も載せる気マンマンなことは黙っておきます。
そして完成、パプル定食です。
ご飯の量がデフォルトでコレ。で、肉は本当に焼いただけに見えます。でもまあ、辛子醤油をつければマズいってほどではなくちゃんと食べられます。
常連さんも「それ、うまいの?」と聞いてきます。毎日来てそうなのに頼んだことないのか。
しかし味はともかく、ここからはもう完食に向けての戦いのみです。大食漢ではないのでキツいです。
脳が満腹を感知する前にとにかくかっこむ作戦でバクバク早食いしていると…
「オウ、これサービスね」とマスターからカラアゲを無料で追加投入の粋な計らい。
いや、きっつい……。
野菜を食べ散らかして薄く広げる作戦で実質残しつつ、なんとか完食しました。苦しい……。
これで500円はすさまじくオトクですが、もういい歳なんで量より質なんです…。
帰るとき、マスターが「次は奥さん連れてきてくれよ」と言うので、是非また、と答えると、
「アンチャン、ガンバレよSEX!!」と見送ってくれました。
その後、妻に団らんに行こうと何度も言いましたが、「ここは、いい」と断られ続けている間、ついにまた高円寺の迷店が消えたという話でした。
いつまでも あると思うな 親と店。
マスターがぼくに掛けた「アンチャン、ガンバレよSEX!!」の声が、頭の中で
ガンバレよSEX! ……
ンバレよSEX!……
レよSEX!……
SEX!……
!……
とリフレインしています。
【店舗データ】
住所:東京都杉並区高円寺南3-59-9
取材時期:2011年5月