全国ノスタルジー探訪

現代に残る、身近な過去を探してあちこち歩いてます。

群馬・上信電鉄 南蛇井駅 と フードショップ おきなわ屋

群馬のローカル線、上信電鉄に乗ってきました。高崎から下仁田までを結んでいますが、群馬県南部出身のぼくもその存在は鉄道趣味に目覚めてから始めて知りました。グンマーはクルマ社会なのでおそらく高崎在住でも知らないという人すらいてもおかしくないと思います。

上信電鉄の駅は、駅マニアにはたまらない渋いものが多いです。まずその中のひとつ、南蛇井駅について触れたいと思います。
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なんじゃい!とまあ珍名駅であり難読駅であります。たまたま2013年は巳年なので蛇の名が付く駅ということで若干注目されたりされなかったり。

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外観は手直しされていますが、建物はかなり古い木造駅舎です。

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この上から吊ってるタイプの扉は古い証です。

さて駅舎を堪能した後は、周辺の散歩をします。と、すぐにこんな店を見つけました。フードショップ おきなわ屋です。

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駄菓子屋がある、くらいのリサーチはしていましたが、ここまでバラエティに富んだ商品構成、というか、何を売っているのかよくわからないくらいの情報量です。「駄菓子5円ヨリ」とありますが、あの「ごえんがあるよ」は既に5円単品売りはなくなったという噂も聞いていますが果たして……。

おそるおそる入り口を開けると、そこには桃源郷が。

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なんという情報量でしょう。新宿の某家電量販店と某ファストファッション店のコラボショップなんぞが足下にも及ばない、まさにこれこそが「素晴らしきゴチャゴチャ感」でありましょう。あまりの奥行きの広さに最初は鏡かと思ってしまいました。

外にホットスナック系の貼り紙があったのでお店の人に聞くと、「油暖まるのが11時くらいだからそこからね」と言われたので、駄菓子を物色しつつ揚げ物を頼めるようになるまで待つことにしました。

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駄菓子は定番の菓道、リスカやおきんの商品をはじめ、おとくでっせやゴールドチョコ等、最近都内でもあまり見ない駄菓子もラインナップしていました。酢こんぶも、関東では定番の中野の都こんぶだけでなく、近畿食品の「すこんぶ」まで並べる充実っぷりです。はっきりいって、この時代ここまでやれるのは凄い。本気を感じます。

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5円のお菓子の正体は個包装系お菓子のバラ売りで実現しているようでした。しかし今どき5円で買い物なんてできませんから大変貴重です。手持ちの100円ひとつでどういうメニューにするか、というのが駄菓子屋での買い物における悩みでもあり学びでもありましたが、その選択肢を豊富にするという意味では大変嬉しい心遣いです。実際、近所の子供たちが買い物に来てアレコレ悩んでいる姿を見て微笑ましかったです。

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そして、こういうの大事ですね。


ホビー系もかなり充実しています。

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定番のウンチ系玩具、今果たして生産しているのかすら不明なチープ系ホビーからエアガン、季節(正月だったので)の玩具などなど。新幹線あさひ、あおばなんてもうとっくに無いよ…(買いました)。

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生活用品もあります。赤いラジカセ、うちの実家にもあったなぁ…。

そしてそして、総菜系も異様に充実。

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この物量感、無駄にワクワクします。流石に乗り鉄中なので買うわけにはいかないけどどれも美味そうです。ドンキホーテの店内って何が楽しいのか全然わからないしむしろ不快なくらいなんですが、アレが好きな人ってぼくがこういうのを見て抱いた気持ちと同じような感じなんでしょうか。

そうしてるうちに油が暖まったと言われました。これまた充実のラインナップです。
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この辺に住んでたら料理する必要なさそうです。
悩みに悩んで、メンチカツ、ハムカツ、ちくわ揚げを注文しました。

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数分後、できたての揚げ物を受け取り、お会計を済ませました。(南蛇井駅のベンチで食べました。アツアツで美味い!)

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揚げ物、駄菓子、あと南蛇井名物(と言うけど、wikipediaによると遠州と東北でメジャーらしいですが)しそ巻きを買いました。これもご飯によく合って美味かったです。

お話を聞くと、おきなわ屋は創業80年くらいになるとのこと。奥へ奥へ拡張して今のスタイルになったそうですが、駄菓子屋が出発というわけではなく、昔はむしろもっと色々売っていたとのことでした。子どもの数はやはり減っているようで、この南蛇井あたりでは1学年1クラスすら成り立たなくなりつつあるということです。なので学校の掃除も生徒だけでやりきれなくなってボランティアの老人が手伝ったりしているとか…。
ぼくの小学校(南蛇井よりは栄えた町ですが)当時は8クラスあって学校分割したくらいなんですがね……。

しかし、こういう店が帰り道にあったらほんとにサイコーでしょうね。おきなわ屋の近くには小学校がありましたが、成人式帰りに挨拶に来る子が毎年いると言ってました。その気持ちわかります。
近所の子どもだけでなく、夕方は総菜を買うお母さんも来るのでしょう。あと、野良猫も来てました。南蛇井の人(と猫)が集う場としてどうか末永く続いてほしい、とても楽しい店でした。
上信電鉄に乗ったら、ぜひ南蛇井で途中下車しておきなわ屋へ!


【店舗データ】
住所:群馬県富岡市南蛇井439 上信電鉄 南蛇井駅より徒歩3分くらい
営業:8:00〜19:00くらい 不定休?

取材時期:2013年1月