全国ノスタルジー探訪

現代に残る、身近な過去を探してあちこち歩いてます。

北海道 東室蘭・軽食喫茶KING

北海道の室蘭と言えば観光地のひとつですが、あまり訪れたことのある人はいないかもしれません。更に実際鉄道で行く場合も地理的にも、東室蘭駅からの盲腸線扱いになっています。そして街としては東室蘭駅側のほうが実質中心地のような状態です。

ぼくも何度か乗り換え程度で通過していただけだったので、秘境駅訪問の時間調整で東室蘭に立ち寄ることにしました。そしてそこで非常に興味深い喫茶店を見つけました。

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それがこの軽食喫茶キング(KING)です。東室蘭駅から雪道の徒歩で25分くらいでしょうか(凍った歩道がなければもう少し早いかも)。
このやってるのかやってないのか不明な感じ。そしてきっと「やっていた」としたら、奥からこちらは丸見えなのでそのキョドっぷりもきっと見られてるという緊張感!
だいたい、2階の窓はなんなんでしょう。スラムか!(失礼)

っと、2往復して「営業中」の札が下がっていることを確認し、意を決して入店しました。



店内はテーブル数席にカウンターと、案外にふつうかつ味わいのある純喫茶スタイルでした。

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これがあったら優先的にここに座ると決めているテーブルゲーム台の席に座ろうとすると、マダムが「そっちじゃなくてこっちに座りなさいな」とカウンター席を勧めます。いきなりカウンターはハードル高いんですが、そこまで言われては、と思いカウンターに移りました。


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「取材かなにか?」とマダム。まあ、こんな大したアクセスもないブログの材料を集めてるっちゃ集めてる=取材、ということにし、「ええ、まあ、インターネットなんですけど…」と答えました。やはり2往復している様を観察されていたようです(笑)。

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「やっぱりな!記者さんかなんかだと思ったんだヨ!そのカメラ」
と、趣味写真用に下げているライカを指して常連のオヤジさんが言います。
※このブログは殆どがiPhoneで撮影しています
記者ってわけでもないし、プロでもないですよ〜と言いつつ、まあインターネットの記者のテイで喋りました。もちろん写真の許可はいただきました。

あらためて店内を撮らせていただきます。

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麻雀台、ゲーム台とそれなりに賑わったことのある形跡も見て取れます。


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開業して3〜40年くらいとのことです。北海道全般のご多分に漏れず、一昔前と比べるとここ室蘭もかなりの寂れかただということです。確かに散歩して見つけた飲み屋街も、おそらく潰れているであろう店も沢山ありました。



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アメリカンなコーヒーですが、豆をひくところからやってくれて旨いです。
色々と室蘭の昔話やおすすめの場所などを聞きました。オヤジさんが好き勝手しゃべり、マダムが「そんなことこの方聞いてないよ!」とツッコむというスタイル、あまり中身は覚えてませんが楽しいトークでした。
しかしこの建物の老朽化のために、残念ながらKINGは今年の夏で閉店の予定とのことです。
しっかり宣伝しておきますよ!と言ったものの、果たしてこんな場末のブログを見て行く人がいるかというとちょっと厳しいものがあります…。もし室蘭周辺にご用のある方は、本当に残念ですがもうすぐ無くなってしまうお店なのでぜひ立ち寄ってみてください。

店の外観に反してアットホームな店内、そしてマダムと常連のオヤジさん、楽しいひとときをありがとうございました。

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【店舗データ】
住所:北海道室蘭市中島町1-30-8
営業:8:30〜17:00くらい 基本的には無休とのこと

取材時期:2013年3月
※マダムのお話では2013年夏ころには閉店予定とのこと。寂しい限りですが訪問はお早めに!