全国ノスタルジー探訪

現代に残る、身近な過去を探してあちこち歩いてます。

北海道・温泉旅館 銀婚湯(上の湯温泉)

乗り鉄と温泉の趣味クラスタとしての相性は良く、両方を愛する人間は少なくありません。ぼくもその一人。
やはり生半可な温泉より、源泉掛け流し加水なしにこだわりたいもの。そんな泉質マニアの間での評価も高いのが、北海道にある銀婚湯です。

今回は鉄道で伺いました。最寄り駅は函館本線落部駅です。
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飛行機で行くなら函館空港から北海道入りするのが最も効率的でしょう。予約時にお願いすれば落部駅まで送迎していただけます。その車で30分くらいで宿に着きます。


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一番安い部屋でも清潔感があり、かつ風情は失われていない造りでとても良いです。泉質さえ良ければ他には目を瞑れる、という人だけでなく、フツーの温泉旅行がしたいシニア層やギャルでも絶対大丈夫です。館内もちろんウォシュレットもあります。

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ここなら親もつれてこれるなあ、なんて思いつつ、早速お湯をいただきに。まずは地図を確認。


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このように丁寧なお湯のルートの説明があります。これを見るに、トチニの湯、もみじの湯あたりは外せないですよね!
しかもこれ、日帰り入浴者は入れず、宿泊者専用なのです。こうやって高い値段を出した分の(宿泊やご飯以上にお湯としての)メリットがあるというのはとても大事だと思います。たまに、日帰りでも全部のお湯に入れてしまう宿もあり、それはそれで日帰り側の立場としては嬉しいのですが、泊まってる人にとってはどうなんだろう、と思うこともあるので…。
 ※とはいえ、基本的に日帰りは時間制限があるので、泊まりの人にメリットが皆無という宿は原則無いですよ。

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このように、ほぼ露天というより野天に近い風呂であることが伺えます。本来雪の無い時期こそフルに楽しめるようですが、まあ雪があっても風情があって良いでしょう。


というわけで、まずはメインどころの「トチニの湯」を目指します。
なお、他の客と被らないように、キーのようなものをフロントで管理し、それぞれのお湯に一組しかいけないシステムになっていますので、一応は安心してプライベート的に使うことができます。まあ、外なんだけど。


長靴を借りて、地図のとおりまずは吊り橋を渡ります。

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その後、道無き道を先人の足跡だけを頼りに歩きます。

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これ、夜来たら絶対迷う…(日没までしか入れません)。
こんな感じの道を10分ほど歩くとトチニの湯に到達します。

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申し訳程度のついたてと更衣室?があり、野趣あふれるシチュエーションです。女性にはちょっとキツいかも。
遠慮無く冬の北海道、雪の中で全裸中年男性となり、湯船へ。(かけ湯を忘れずに)

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トチニの湯の湯船にこびりついた析出物が語る源泉100%掛け流しのお湯、これはたまりません。もう外に出たくなくなります!
…とはいえ他のお湯も楽しみたいので一旦脱出。一度フロントに帰り、トチニの湯のキーを返し、今度は「もみじの湯」のキーを借り出してもう一度歩きます。吊り橋から先の別ルートの先にもみじの湯はあります。

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こちらも申し訳程度のついたてなど。まあガッツリ丸見えですから、そういうのを気にする方には向きません。お湯の質はトチニの湯とは違いすこしアッサリした感じ。ぼくはトチニの湯のほうが好きです。


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こちらは入っていませんが、「かつらの湯」です。囲いがしっかりしているので、女性でも安心だと思います。


夕飯は部屋でいただきます。

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超贅沢というわけではないですが、ひとつひとつ丁寧に作られていて美味いです。

夕飯後ゴロゴロした後、内湯に入ります。内湯は24時間入れます。

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内湯は広々、脱衣所も洗い場もしっかりあり、ちゃんと体を洗うこともできます。まあ温泉に来たら成分を流すようなことはやめて頭洗うにとどめるのが正解でしょうね。


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内湯側の露天風呂にひとり入っていたら、猫がやってきてペロペロお湯を飲んでました。長生きするぞ〜。
こんな感じで満喫して就寝、翌朝も朝食後にひとっ風呂、大満足で宿を後にしました。
高友旅館のようなところと違い、ここは自信を持って万人にお勧めできます!




【おまけ】
落部駅まで送っていただき、列車を待っていると、駅員さん?に事務室に入れていただくことができました。

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この方、元国鉄職員で、今はボランティアで切符販売などをされてるとのこと。無愛想でしたが優しい。
ここで数分列車を待ち、次の目的地に向かうのでした。


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【データ】
住所:北海道二海郡八雲町上ノ湯199
予約はホームページ経由で秘湯を守る会サイトなどから。

取材時期:2013年3月