乗り鉄はおろか、最近では電車と気動車の区別もよくわからない人でも聞いたことはあるという「秘境駅」。そのキングと位置づけられているが、今回の小幌駅です。
・駅周辺に民家や店がない
・駅に到達する道が事実上ない
・車で訪れるのも不可能
という要素だけでもまさにキングオブ秘境駅です。
初めて訪れたのは夏休みです。このとき駅に降りたのはぼく一人。
トンネルとトンネルの狭間にある駅です。
秘境駅にしては、列車は停まるほうです。こんな駅もあるくらいですので…。
保線さんが道具をしまったり休憩したりする小屋と、トイレです。なお昔は待合室があったようですが、現在はありません。なんでも、小幌仙人と呼ばれるオッサンが住み着いていたとか。
確かに周辺を散策すると、人工物も見受けられました。これらも仙人の持ち物だったのでしょうか。
また昔の設備らしきものも探すとありました。
この駅、たまに猛者が歩いて来たりしていますが、基本的には外に出ることができません。少なくとも列車で来た人は駅から出てもそこからの交通手段が無いので…。
この駅から平面移動できる範囲に海岸と、神社がどこかにあるとのこと。とりあえず海岸を目指してみることにしました。
これをかいくぐって。
(動画へのリンクです)
これは真夏だったからこんな険しくなったんですね…。春先とか秋口だと良いのかも。
海岸です。うん、海岸です。妙な達成感があります。
海岸から帰ってきました。あとはこの2時間ひとりじめの駅の空間を充分いやになるほど堪能しました。
(動画へのリンクです)
踏切の様子と特急が本気で通過していく様子です。貨物も含め結構通過列車はあるので、本当に気をつけないとリアルに死にます。
さて、夏の小幌は体験しましたが、是非冬の小幌も体験してみたいと思い、季節を変えて再訪しました。
冬を舐めると本気でやばいので、今回は15分ほど滞在しまた元来た方面の列車に乗れるプランとしました。
自分的には5年ぶりとなります。なつかしい…!
3月末ですが、除雪されていないところは平気で腰の上までずっぽり雪にはまるので注意です。
夏に見た小屋などもすっかり雪に埋もれています。
おお!以前にはなかった駅ノートが!誰かが置いたのでしょうね。さっそく記念に一筆したためました。あまり時間がなかったので乱筆でブログの宣伝等も書けませんでしたが…。
そうやって慌ただしい15分で、すぐに来た折返し方面の列車で小幌を脱出しました。なおこれを逃すと次は2時間後になります。
ところでこのおじさんと少しお話しをさせていただきました。
豊浦方面から小幌駅まで鉄道で釣りをしに来るとのことで、もう通ってかなり長いそうです。確かに誰も来ないしよく釣れそうな感じではあります。
またこの方、聞くとうわさの小幌仙人は良く知っていたとのことでした。
昔ぼくもYouTubeで、警察24時的な番組でヘリでこの秘境から急病の仙人を運んだような映像を見た記憶があります。どんな人だったんでしょうね…。厭世的なゆえこの秘境駅で暮らすことを選んだのでしょうが、しかし言ってみれば住んでいるのは駅前一等地という…(笑)。
いわゆる駅の歴史のようなものを感じる要素はあまり多くないのですが、秘境感はやはりキングにふさわしい駅です。乗り鉄ならずとも、列車は意外に停まるので是非訪れてみて下さい。ただし初めての場合まずは雪の季節以外の訪問を推奨します。
【データ】
住所:北海道虻田郡豊浦町字礼文華
JR北海道 室蘭本線
取材時期:2008年7月/2013年3月